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衣服のシルエットを左右する!接着芯地は陰の主役

2023.10.25 技術紹介

ほとんどの衣料品には、副資材として「芯地(しんじ)」が使われています。外側からは見えませんが、表地と裏地の間に芯地を挟むことによって、衣服のシルエットを良くしたり、着用による型崩れを防いだりする役割があります。生産の効率化が進むアパレルの現場では、一般的にすでに接着剤が塗布されている「接着芯地」が普及しています。

接着芯地は主に“仮接着タイプ”と“永久接着タイプ”の2種に分けられ、仮接着タイプは縫製作業の効率を高めるための一時接着の役割を果たします。一方で、永久接着タイプは洗濯やクリーニングの際に表地と剥離しないよう、耐久性を備えた樹脂を選定しています。

コーテックで扱う芯地の用途は、スーツやジャケット、ワイシャツ、ボトムのウエストなど多岐に渡っており、それぞれの部位に適応できる接着方法や樹脂の選定には業界でも一目置かれています。接着芯地加工のトップメーカーとして、長・短繊維のどんな素材にも、またあらゆる表地にも対応できる接着芯地を提供しています。

接着剤コーティングの工法としては、ホットメルト接着性のパウダーをグラビアロールで生地の上に点状に置き、加熱定着させる「パウダードットコーティング」を行っています。「ホットメルト接着剤」は、常温では個体でありながら、加熱により溶融する接着剤のことで、溶剤は含んでいません。それゆえ乾燥工程も不要で環境にやさしい接着剤として知られています。

また、加熱溶融しない樹脂を下地としてコーティングした上に、ホットメルト性のパウダーを積層した二重構造のドットを形成する「ダブルドットコーティング」も行っています。これによって、表地と接着する際に熱溶融した接着剤が基材側に浸透するのを防ぐことができます。ドットコーティングは接着後の風合いが柔らかく、通気性を損なうこともありません。