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理想の色相と鮮明さを追求するなら印刷して転写する「昇華転写プリント」

2023.10.25 技術紹介

デジタル画像をもとに、分散染料インクで転写紙に印刷した後、生地に熱転写する「昇華転写プリント」。印刷してから転写するという手順を踏むことにより、鮮明で耐久性のあるプリント加工ができます。生地素材はポリエステルに限定されますが、レースのように透けるものからフェルトのような厚地まで、どのような形態のものでもプリントでき、風合いを損ないにくいのがメリット。大量生産には不向きですが、小ロット対応でオリジナリティー溢れる製品をつくることができます。

コーテックでは主にカーテンの加工に用いられており、自社で加工した生地に転写し、その後仕上げ加工を施します。顔料に比べ発色が良く、洗濯、摩擦等の堅牢度に優れますが、このプリントに使用できる染料は、分散染料の中でも耐光堅牢度、昇華堅牢度が低い傾向です。広告幕等の用途では、生地に染料を直接インクジェットプリントし、加熱発色させるダイレクト昇華という方式も使われていますが、コーテックでは、画像の精細さを重視し転写方式を採用しています。

昇華転写プリントは狙いの色を実現するのが難しく、インクや生地の特性を見極め、さまざまな調整が必要です。また、転写紙にプリントした段階では仕上がりの色と異なる色味のため、色調確認のために転写まで行わなければなりません。コーテックでは、お客様から画像データをお預かりし印刷する際、その都度テスト印刷を行って確認し、理想の色相に近づけていきます。

[プリンター、転写機仕様]

最大作画幅2,500mm
最大転写幅3,600mm
インク種類昇華インク
インク色数4色(CMYK)